目指したのは、人々が魂の生まれ変わりを感じられる場所

アジアのベストスパ10選にノミネートされ、ベトナムスパ業界の権威とも呼ばれるZENスパ。伝統的ベトナム療法と禅の精神・アートを融合した癒しの空間は、他店とは明らかに一線を画す独特の非日常感を醸し出しています。オーナーであるフォン氏がこのスパを創設したのは、遡ること13年前、2004年のこと。今日も国内外から予約の絶えることはない、壮麗なスパの開業にいたるまでの経緯を美容ライターの美ナ子が取材しました。

Q:化学薬品に一切頼らず、薬草を使用した伝統的トリートメントにこだわっていますね。そのコンセプトのルーツはなんですか。
 私は、酒造業を営む家に育ちました。私の母は 1960 年代から退職するまでの 40 年間、さまざまなリキュールの開発に努めていました。少女だったわたしにとって、レモンの皮やグレープフルーツ、りんごなどの果実や薬草がアルコールになっていく過程というのは、まるで錬金術師の魔術のように思われたものです。その感動が現在のスパの原点となりました。当時から、自然が体を癒す神秘に関心があったのです。
母はよく、野菜をふんだんに使った自然料理をつくり、そのミネラルや栄養価について説明してくれました。当時のハノイでは肉や魚はまだ限られた食材であり、でんぷんが主食でした。肉よりも野菜を中心とした食事のほうが体を若々しく保つ効果があるのではないでしょうか。私は現在も、その信条に従って生活しています。

Q: ZENスパ開業に至るまでのキャリアについて教えてください。

 学校卒業後、タイの自然化粧品会社でスキンケアについて学ぶ機会がありました。その後 ,、ベトナムのコーセー化粧品販売代理企業に約二年間勤め、1998年よりフランス系化粧品会社 LANACANE に就職しました。そこではベトナム支社代表として香港の事務所と提携し、マーケティングや商品開発を司るマネージャーとして働きました。
 その頃から、「もっと、自分のアイデンティティを活かした美容事業を展開したい」と思うようになったのです。ベトナムの伝統美を伝え、人々に美と健康をもたらす、何か特別なことを・・・と。
 そして、自分の興味の原点はわたしが少女時代に習った祖母と母の自然療法にあったことに気づき、私の中でZENスパのコンセプトが形成されていきました。
 人々が自然の恵みに触れ、喜びを感じられる場所。まるで自分の実家に戻り、再会した家族の温もりにつつまれるように安心できる場所。精神的な幸福をもたらし、プロの施術により、内面からの美を引き出せるところ。訪れる人々が心の調和を取り戻し、至福の境地で帰路につけるようなサービスを受けられる施設。古来から伝わる漢方の英知と、思想・宗教・音楽といったこ

の国の文化を、現代に生きる人が体感できる場所。そんな癒しの空間を作りたいという思いから ZEN スパが生まれました。

Q: 大手美容企業を展開しながら、一見、非効率な自然療法にこだわりつづける理由を教えてください。

 人生は時に過酷です。公害による大気汚染は肌の老化を加速しますし、過労による欝や、若死は増加する一方です。わたしはそういった健康問題に自然の力をもって対応していきたいのです。化学薬品によるケアは肌や体が持つ本来の回復力を奪ってしまいがちですが、天然由来成分には素肌本来の力を取り戻す作用があります。より安全な解毒作用が見込めますし、アレルギーも軽減されます。巷に即効効果をもたらす高級化粧品や薬があっても、その原材料が常に信用できるものとは限らないのです。
 また、果物などに含まれる天然フルーツ酸には、古い角質をマイルドに除去し、肌をなめらかにする作用もあります。10 代の頃、わたしの顔にニキビができると、母はお茶に少々のお塩を混ぜたもので洗顔させたものです。一、二週間もするとニキビはきれいに消えます。そんな些細な民間療法にさえ薬品に勝る効能があることを、現代の人にもう一度見直してもらいたいと思います。

ZEN SPAを支える献身的なセラピストたち

Q: スパ創立にあたり、従業員への技術指導やトリートメントの開発、材料の仕入れといった専門知識はどこで身につけたのですか。

 私は幸いにも、野草や花、野菜のセラピー効果の知識に長けている母と祖母の下で育ちました。幼少より薬草学に興味を持ち、旅先など機会がある都度、その知識を深めるように努力してきました。最終的にはZENスパ創立直前に、マレーシアのロンドン・スパマネージメント&スキンケアコースで学位を取得しました。わたしが触れてきた、世界中のあらゆる平和の精神と美学を集大成したもの。それがZENスパです。訪れる人々が音に触れ、魂の生まれ変わりを経験できるような、総合的芸術空間を目指しました。

Q: 結婚され、二人の大学生の娘さんを抱えながらフルタイムでスパ経営に励むというハードワークをこなしながら、どうやってそのような美しさを保っているのでしょうか。ファンデーションも何もつけてないそうですが、しみひとつない美肌ですし、常におだやかに微笑む様子をみていると、その忙しさが信じられません。

人生とは本来単純なものです。しかし、山あり谷ありで、わたしにも仕事に追われて座る暇もない時だってあります。でも、毎日、朝晩瞑想するようにしています。ただ 5 分だけ、じっと椅子にもたれて、そう、完全に脱力して、その禅音楽に耳を傾けて、頭を空っぽにするだけ。何もむずかしく考えなくていいんです。座禅を組んで、背骨をのばして・・・ってプロフェッショナルにやろうとすれば、肩が張ってうまくできないから、ただシンプルに思考を白紙に戻す方法を練習するだけです。簡単でしょう?ずっとこの瞑想を続けているおかげで、慌しいときでも平和な精神を保っていられるんです。このスパを「禅」と名づけたのは、まさに自分自身の願いを反映したかったからです。美しさと健康を保つには、まず平和で安定した精神状態にあることが必要です。
 たとえ人生がどんな過酷な状況にある時でも、生きていることを忘れてはいけません。花をみて、呼吸を整えて、リラックスしたとき、その花の美しさを感じることができるのです。幸せを感じられるとき、世界は変わります。自然が、地球が「家」と感じられるとき、わたしたちは本来の自分を取り戻し、穏やかな気持ちでいられるのです。

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